公社債投資信託:MMFとMRFは証券会社の預金商品

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公社債投資信託の代表的な商品にMMFとMRFがあります。これらについて、どういったものなのか、ほかの商品と違いは何なのかについて解説します。

公社債投資信託とは何か、投資信託の分類にはどのようなものがあるかについては以下を参照ください。

共通点:MRFとMMFとは

  • MRF (Money Reserve Fund:マネー・リザーブ・ファンド)
  • MMF (Money Management Fund:マネー・マネージメント・ファンド)

どちらも追加型公社債投資信託の一種であり、国債や地方自治体の債券などの安全性の高い資産で運用されているため、投資信託の中でも非常に安全で換金性が高い商品となっています。

1円以上1円単位で購入でき、毎日決算され、収益分配金は毎月最終営業日に1ヵ月分まとめて再投資されます。

イメージとすると、証券会社が提供している普通預金がMRF、定期預金がMMFといわれいます。銀行預金とは違って預金保護制度の対象ではないため、元本が保証されていません。

MRFの構造

証券会社の口座を開設するとMRFも同時に開設されるのが一般的で、MRFに資金が振り込まれてから投資がスタートします。また、投資信託や株式を売却して得た資金や分配金などはMRFに振り込まれます。

いつでもペナルティー(信託財産留保額)なしで解約することできます

MRFは投資の手続きをスムーズにするために用いられている、証券会社に投資資金を置いておくための口座と考えてよいでしょう。

とある証券会社の2020/9月時点でのMRFの年利回りは0.001%であり、とある銀行の普通銀行の年利回りも同じ0.001%となっています。したがって、MRFは資産を増やすためにある投資信託というより、投資をするために証券会社で使われている普通口座と捉える方が適しています。

MMFの構造

MMFのMRFに対する基本的な性質は、銀行の普通預金に対する定期預金と一緒です。

購入後30日未満に解約する場合には、1万口あたり10円の信託財産留保額がかかります。その分、MRFよりも利回りが高いという特徴があります。

MRFに入っているお金は自動的に常に運用されまいますが、MMFはその都度購入の申し込みが必要です。定期預金の満期で普通預金に移ることはあっても、普通預金から自動的に定期預金になることはないのと同じような感覚です。

日本円MMF(国内MMF)は、短期の日本国債や公社債等を組み入れた金融商品ですが、2016年以降の日本の低金利政策の影響を受け、購入受付を停止しています。

類似商品として、中国国債を中心とした安定運用の中国国債ファンド(中国F)、米ドルや豪ドル、ニュージーランドドルなどの外貨で運用される外貨建てMMFがあります

外貨建てMMFは銀行の預金でいう外貨預金に相当すると考えられます。2020/09月の現時点でのとある銀行の定期預金の金利は0.002%、外貨預金の金利は0.01%、外貨建てMMFの年換算利回りは0.113%となっています。

預金商品よりは外貨建てMMFの方が利回りは圧倒的によく見えますが、元本保証がないことや価格変動リスクや為替リスクがあること注意する必要があります。

まとめ

証券会社
公社債投資信託
銀行
いつでも入出金が可能であり、低利率で置いておくことが主な役割の商品MRF
(0.001%)
普通預金 (0.001%)
一定期間置いておくことで利回りが少し良くなる商品MMF定期預金 (0.002%)
為替リスクが伴う外国通貨を用いた商品外貨建てMMF (0.113%)外貨預金 (0.01%)
()内は2020/09月の現時点での金利を示しており、会社や商品によって大きく異なるのあくまで参考値

証券会社が提供している公社債投資信託と銀行が提供している預金を比較してみました。

基本的には金利が高い(リターンが大きい)ほど、リスクも大きくなるので、一概にどの商品が良いということはできません。しかし、現在の超低金利の状態では、国内MMFや定期預金はほとんどMRFや普通預金と利回りが変わらず、存在価値が薄れてきているといえるでしょう

ここでは触れませんでしたが、株式や株式投資信託に比べると公社債投資信託は非常に安全性の高い商品です。よって、上表で外貨建てMMFはハイリスクハイリターンな商品に見えますが、投資全体を広い視野で考慮すると比較的安全な商品といえるでしょう

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