熱中症とコロナの脅威を比較、マスクには気を付けよ

雑学

こんなに暑い中でもマスクをしなくてはならないのか?

マスク嫌い派の人間としてはコロナ予防のためのマスクよりも、熱中症を心配したいところです。熱中症と新型コロナウイルス感染症は病気の性質として全く異なるものなので単純比較はできませんが、熱中症と新型コロナウイルス感染症に関する統計データを用いてその脅威度合いを独自に比較したいと思います。

熱中症による死亡者数

日本の毎年の熱中症による死亡者数をグラフ化すると下図になります。これは厚生労働省ホームページ「熱中症による死亡者数(人口動態統計)」のデータに基づいて作成しています。熱中症の死亡者数は年によって大きく変動しており、その年の気候の特徴に大きく依存することがわかります。異常気象が続くここ最近の方が増えてきている傾向がみえます。

厚生労働省ホームページ:熱中症による死亡者数(人口動態統計)より

2018年の年齢別の熱中症による死亡者数をグラフ化すると下図になります。当然ですが、高齢なほど死亡率は大きくなります。60歳以上で87%を占める結果となっています。

厚生労働省ホームページ:熱中症による死亡者数(人口動態統計)より
厚生労働省ホームページ:熱中症による死亡者数(人口動態統計)より

新型コロナウイルス感染症による死亡者数

日本の新型コロナウイルス感染症による死亡者数は1,052人です(2020/8/11現在)。日本で死亡者が出始めたのは2月のなので現在までのおよそ6か月間でここまでの数値になっています。

毎年の熱中症による死亡者数と現在までのコロナによる死亡者数をグラフで並べてみると下図のようになります。毎年の熱中症の死亡者数の平均値がおおよそコロナによる死亡者数と同じくらいになります

年齢別のコロナによる死亡者数をグラフ化すると下図になります。こちらも当然、高齢の方が死亡率は大きくなり、60歳以上で95%を占める結果となっています。

厚生労働省の報道発表資料より(2020/7/29時点)
厚生労働省の報道発表資料より(2020/7/29時点)

考察

2018年の熱中症による死亡者数は現在までのコロナによる死亡者数よりも多いため、現段階のコロナの感染レベルにおいては、コロナよりも熱中症に対する注意を重視すべきである可能性があります。効果も定かではないマスクを常につけることを強要することなく、暑さに対する身の危険を優先した行動をすべきだと考えられます。

また、コロナよりも熱中症の方が若い世代での死亡率が大きくなっています。コロナはワクチンや治療法が確立されていない現状であっても、通常の免疫機能により死に至ることまでは少ないのに対して、熱中症は対策がよく周知されているにもかかわらず、若い世代であってもある程度の死亡者が出ています。ここで、全世代にマスクを強要することは、高齢者だけでなく若い世代にも危険がおよぶことになります。

現在厚生労働省は熱中症対策として、人と2m以上離れているときはマスクを外すことを推奨しています。ありもしないマスクのマナーにとらわれることなく、自分の身を守るためにマスクを外しましょう。